2011年04月13日
いわきへ〜被災建築物調査その2〜
いわき市での調査も終わり、帰路の道中、調査の途中に少し見えていた
冷泉寺(設計:隈 研吾)に見学させていただこうと、建築関係者である旨ご挨拶したところ、
避難されている方が、ご自宅が大丈夫か見てほしいとの依頼。
正式な診断ではない事をお伝えしたうえで、もちろんお受けしました。
建物はS造。3名で手分けしながら各部を確認。
天井裏も見させていただきましたが、梁柱、接合部、ブレース等に特に異常なく、
塩害による腐食が少し気になるが、当面は大丈夫だとお伝えさせていただいたところ、
「これで片付けにめどが立ちました」と喜んでいただけました。
今後住めるか判らない建物の、先の見えない復旧作業。
これも大きなストレスになります。
倒壊や崩壊していれば素人目に次を考えようとなりますが、微妙な建物が結構現存している。
早い段階で住宅診断や復旧相談を組織的に行い、
住民の方に住まいの目処を付けていただく事も、プロである私たちの仕事だと気づかされました。
住まい手さんと冷泉寺さんには建築士会の名刺をお渡しし、
何かあればいわき市か、福島県建築士会にご連絡いただければおそらく対応出来るとお伝えし、
現地を後にしました。
被災建物調査はあくまで外観調査で、住まい手さん目線ではなく被害の程度や分布を統計的に取る事が目的の調査。
重要性は判っているのですが、被災地域を回るうちにだんだん沈んでくる。
最終日にこのご依頼を受け、建物も大丈夫だった事、住まい手さんに喜んでいただけたこと。
そのことに大きく救われました。
Posted by kameplan architects at 09:00│Comments(0)
│けんちく日記